はじめに

前シリーズである「誰も言わなかった薪ストーブの話」を私が書いたのは、2008年。あれからわずか数年ですが、世の中も、薪ストーブを取り巻く環境も大きく変わりました。
この数年で最もショッキングな出来事は、何と言っても2011年3月11日に発生した「東日本大震災」でしょう。私も及ばずながら現地にボランティアに行き、想像を超える大きな災害を目の当たりにして強く衝撃を受けました。そして、誰もが「あの日を境に、日本は大きく変わった」と実感しているはずです。

私の会社は、被災地から離れた横浜と山中湖にありますので、震災後もいつもと同じように仕事を続けてきました。しかし薪ストーブにまつわるさまざまな会話の中でも、新たな質問、疑問を持たれる方が増えてきました。それは
「大きな地震が来たら、薪ストーブって大丈夫なの?」
「薪に放射能の影響はないの?」
という類の疑問です。

それらの質問には、大震災前にはあまり深く考えたこともなかったような内容も含まれ、正直言って私も最初は返事に困りました。しかしプロの「薪ストーブ専門店」としては、お客様に対して、なんとか信頼に足る答えを見つけなければなりません。

私は以前から、「ただ耳触りの良い言葉を並べ、薪ストーブの素晴らしさだけを伝えるのはどういうものか。薪ストーブはプラス面もマイナス面も併せ持っているからこそ、非常に味わいがあり、魅力的なのだ。だから、それを十分に説明しなければ」と思っており、それを実行してきました。

そこで、このタイミングで「誰も言わなかった薪ストーブの話 パート2」を書くことにしました。薪ストーブの素晴らしさをより多くの人に知ってもらうためにも、今、伝えなければならないことがたくさんあります。薪ストーブと震災の関わりだけでなく、最近増えている住宅地での薪ストーブ使用における注意点、薪ストーブのメンテナンスについてなど、ここ数年気になっている事柄についても、この機会にまとめてみようと思います。

このコラムによって薪ストーブユーザーの不安が少しでも解消され、安心して薪ストーブと付き合っていただければ非常に幸いです。私の言葉足らずの面もあると思いますが、まずはお読みください。

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筆者:鷲巣 勤プロフィール

薪ストーブショップ『ブロス』のオーナーとして薪ストーブの世界にかかわること25年あまり。自宅ではバーモントのアンコールを使用。横浜店ではモルソー・7140を、山中湖店ではデファイアントとヨツールF500を楽しんでいる。